理想の歯並びを手に入れるための矯正方法を医師に聞く
●なぜ歯並びが悪くなるのか
「大きく口を開けて笑いたいけれど、歯並びの悪さが気になる」「歯を見せたくなくて、つい口を手で覆ってしまう」……。歯並びに自信がなくて、こんなシチュエーションを経験したことはないだろうか。たかが歯並び、されど歯並び。歯並びが悪ければ表情も曇りがちになるほか、歯ブラシが届きにくく虫歯の原因にもなってしまう。

では、歯並びをキレイに矯正するにはどんな方法があるのだろうか。慶應義塾大学病院で歯科・口腔外科担当の中川種昭先生に話をうかがった。

○虫歯や歯周病も歯並びに悪影響を与える!?

「歯並びが悪い」と一言で言っても、さまざまなケースがある。例えば、「あごの大きさに比べて歯が大きく、歯と歯が重なってしまう部分がある」「歯が小さいためキレイに並びきらず、歯と歯の間にすき間ができてガタガタになっている」などが一例だ。

「歯並びには、I級からIII級まで異なるケースがあり、歯科医はその分類で診断します。I級は、上あごと下あごの前後的位置関係に問題はないけれど、歯自体がその中でうまく並んでいない人。II級は、上あごが下あごに対して前に出ていて前歯が出ている人。III級は逆に下のあごが前に出ている人です。歯並びの悪さは骨格の問題なのかどうか、原因をきちんと分析することが大切です」

そもそも、どうして歯並びが悪くなってしまうのだろうか。原因の一つとして先天的な遺伝が関係していると中川先生は解説。あごの大きさと歯の大きさがちぐはぐであるなど、あごの発育に遺伝的な要因があることが多いという。

「後天的な原因としては、悪習癖や発育不良があります。例えば、子どもがずっと指しゃぶりしていると、指の力によって前歯が少しずつ前に押し出されていきます。また、子どものころ食べ物をしっかり噛む習慣がないと、あごが発達せず、歯がキレイに並ぶ土台ができなくなってしまいます」

もちろん、成人してから歯並びが悪くなるケースもある。その原因の一つが「歯周病」だ。歯周病は、歯を植えている組織が弱くなり、歯を支えている骨が溶けてきてしまう病気。歯の周りにも炎症を起こすことで歯がぐらぐらと動き、歯が移動してしまう。

「『歯周病になって急に歯並びが悪くなった』という場合は、歯が支えを失って動くことから起きたのです。ほかにも、虫歯によって歯を失い、そのままにしておくと歯並びは悪くなります。歯は、歯と歯の間を詰めるように動くので、空いた空間に歯が倒れ込んでいき歯列不正が起こります」

歯並びが悪くなると、歯ブラシが届かなくなり、さらなる虫歯や歯周病の原因になる。さらに、歯がぐらぐらすると食べ物がうまく噛めなくなり消化不良を起こすなど、悪循環に陥ってしまうとのこと。

歯周病や虫歯がない人でも、歯ぎしりのクセがあれば要注意。歯と歯をギシギシとすり減らしながら、少しずつ前へと押し出しているため、知らぬうちに歯並びが悪くなっていくのだという。

「歯は、大人でも子どもでも日々動いています。毎日の歯のケアが、歯並びにも影響しているんです」

●自力での矯正は不可能
歯並びの悪さが気になったら、まずは歯科医に相談することから始めたい。「歯は毎日動いているのだから、自力で矯正できそう」 と思う人もいるかもしれない。だが理想の歯並びに近づけるには、時間をかけて少しずつ歯を強制的に動かしていく必要がある。

「子どものうちは、歯や骨格の成長に合わせて矯正を考えられますが、大人になると骨が硬くなるので、じっくり時間をかけて歯を動かす必要があります。歯並びにも人それぞれ悩みがあるので、きちんと診断してくれる先生を選ぶことです」

上の歯や下の歯が前に出ていたりする場合、歯と歯の間にすき間があったりする場合、噛み合わせが合わなかったりする場合など、気になるところを相談し、矯正のプランを立てていくことが必要になる。

○矯正の種類

矯正は固定式の「ブラケット」と「マウスピース」や「プレート」に代表される可撤式のものとに大別できる。

ブラケットは、一つひとつの歯に矯正装置をつけて動かすもの。0.1mm単位で比較的正確に細かく歯の位置を決められ、動かせる範囲も広いためキレイな歯並びを実現できる。また、長く活用されているため幅広い症例に適用できるメリットもある。

ただ、「歯に装置がついているのは目立って嫌だ」という人も多くいる。今は透明のブラケットや歯を動かすワイヤーが白いものもあるので、「歯に金属がずらりとついている」というかつてのイメージとは、だいぶ変わってきているという。

ブラケットを表につけたくないという人は、歯の裏側につける「舌側ブラケット矯正」という選択肢もある。だが、歯の裏側は舌がよく当たる場所なので、ブラケットの触感が気になるというデメリットもある。

●矯正にかかる費用の相場は?
それでは、マウスピース(インビザライン)やプレートによる矯正はどのように行うのだろうか。

「マウスピースやプレートによる矯正は、マウスピースをつけ替えながら定期的に交換したり、プレートを調整しながら少しずつ歯を動かしたりしていく治療です。約10日間ごとにマウスピースをはめ替える必要があります」

一日20時間以上つけていればよく、取り外しもできるため、食事中や歯磨き時には取り外しが可能。ブラケット矯正で起こりがちな「食べ物が歯とブラケットの間に挟まる」「歯ブラシをしにくい」といった心配がない。また、透明なマウスピースを使うため、目立ちにくいというメリットもある。ただ、歯を大きく動かす矯正には向いていないので、適用できる症例は限定的となる。

なお、歯を強制的に動かすので、ある程度の違和感(痛み)があるのは仕方ないそう。「装置を入れて1週間弱は痛いかもしれません」と中川先生。矯正の期間は個人差があるが、歯を動かす時間と保定する時間で1~3年ほど、その後長期にわたる保定を要するケースが多いとのこと。

「1年半かけて矯正をしたら、歯並びが元に戻ってしまわないよう同じ期間を保定することが望ましいです。歯は日々動いているので、歯並びがキレイになったところできちんと時間をかけて固めなくてはいけません」

○総額の費用を事前に確認しよう

矯正の方法がわかったところで気になるのは、その値段。一般的に言われているのは、80~100万円。「高い」と思うかもしれないが、逆に極端に安いほうが心配だと中川先生は話す。

「装置自体にお金がかかるので、80~100万円が適正料金かなと思いますね。大幅に安いと、使っている装置のどこかで『安いものを使っているのでは……』と感じてしまいます。ただ、診察料をどう含むかは歯科医の先生次第なので、事前に確認しましょう」

矯正は月に1度は歯科医に見てもらい、計画通りにしっかり動いているかを確認したり、動き方を見て調整したりと、診察に時間とお金がかかる。毎回の診察料が最初の費用80万円に含まれていることもあるため、トータルでいくらかかるかを歯科医にきちんと説明してもらうように。

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この元記事はAmeba News [アメーバニュース]



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