豊田真由子議員はなぜキレたのか? 「自分は絶対ああならない」が生む悲劇【魂が燃えるビジネス】


いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第11回

「この、ハゲー!」

「違うだろー!」

「生きている価値ないだろう お前とか」

 秘書に対する容赦のない暴言と暴行で話題になった豊田真由子議員。「なにもそこまでキレなくても」と誰もが思うところですが、ではなぜ彼女はそうした言動を取らずにはいられなかったのでしょうか。

 その理由の一つとして考えられるのが「親の影響」です。彼女の生い立ちについて、「母親がとても厳しかった」「母親の声が公開された音声とそっくりだった」という実家近所のインタビューが報道されています。

 この話が本当かどうかはわかりません。しかし、私たちがしばしば親の欠点を受け継いでしまうのは確かです。虐待を受けた子供が親になった時、自分の子供を虐待するのはその典型です。

 本人はそうなることを少しも望んでいません。むしろ「自分は絶対ああはならない」と決意しています。しかし皮肉にも、その決意が望まぬ結果を引き起こします。

 私たちは注目しているものに近づく性質があります。クルマや自転車に乗っていて電信柱にぶつかるのは、「ぶつかる! ぶつかる!」と言いながら、電信柱から目をそらせないでいるからです。そして、これは電信柱という物質に限りません。

「自分は絶対、親のように虐待しない」

「自分は絶対、親のように離婚しない」

 私たちは電信柱に激突するように、虐待や離婚へと突き進んでいます。嫌なものから目を離せない。そこに人間の苦しみと悲しみがあります。

 では、どうすれば目を離せるようになるのか? そのために必要なのが想起と受容です。

 私たちは自分が受けた苦痛を気づかないうちに抑圧します。ただ「そういうことがあった」という事実に置き換えようとします。しかし、その試みは決して成功しません。

 過去の苦しみや悲しみは客観的な出来事ではありません。それは現在も未消化の感情問題です。だからこそ客観的に「こういうことがあった」と思い出すのではなく、感情を交えて思い出す必要があります。

「あの時、自分は本当に嫌だったんだ、苦しかったんだ、悲しかったんだ」

 感情的に過去を受け止められたとき、私たちはそこから自由になれます。苦痛と恐怖から目を離せるようになり、「ああはならない」と言う否定ではなく、自分が望むものを視野に収められるようになります。

 このプロセスは知性とは関係ありません。豊田真由子議員は東京大学法学部を卒業して、ハーバード大学大学院で修士を取得しています。彼女が才女なのは間違いないでしょう。しかし、「ハゲー!」と激高する感情問題はクリアできていませんでした。

 知性は色々な場面で役に立ちます。しかし、それがすべての問題を解決してくれるわけではありません。私たちは問題を抱えると、「どうやって? どうしたら?」というロジックに傾きすぎてしまいます。答えがそこにないにもかかわらず、です。

 私は豊田真由子議員と話したことがありません。しかし、一つわかることがあります。それは彼女が心から「秘書に罵声を浴びせたい」とは思っていない、ということです。そんなことを望む人間はいません。

 彼女は人生の中で、ああいった振る舞いをせずには入られない経験をしたのです。そんなことを少しも望んでいないのに、そうなってしまう。虐待など望んでいないのに虐待してしまう悲劇と同じプロセスです。

 暴行や暴言である以上、何らかの形で責任は取らなければならないでしょう。しかし、それとはまったくの別次元で、彼女が理解者によって救われることを望まずにはいられません。

 同時に、他ならぬ私たち自身が彼女のようになる可能性をいつでも孕んでいます。「私はそんな風にならない」と言い切るのは、これまでに説明したように、自分自身に対する無理解以外のなにものでもありません。

 あなたがいま抱えている問題はなんでしょう。それは知的に、ロジックによって解決する問題でしょうか。もしあれこれと試してもダメならば、答えは心の領域にあるのかもしれません。

「自分の親はどうだったか?」

 そう思い返してみると、「どうやって? どうしたら?」という問いかけでは見えなかった関係と原因が見えてきます。子は親の背中を見て育ちます。いい面も悪い面も親に似て、当然だからです。

 その上で私たちは親から受け継いだ欠点を克服していかねばなりません。そのきっかけになるのが想起と受容です。「親がそうだったんだから、自分がそうでも仕方ない」では同じことが繰り返されるだけです。それでは人類が発展していきません。

 カエルの子はカエルなのか。それともトンビが生んだタカなのか。私たちは人生全体を通して、その選択を迫られています。

【佐々木】

コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」



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この元記事はAmeba News [アメーバニュース]



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